『飽くなき挑戦者』

プロボクサー

 白石 将晃

しらいし   まさあき

世界チャンピオンになる」

そう口にする彼の目には強い意志が宿っていた。

デビュー戦1R22秒KO ボクシング界を将来沸かせるであろう期待の新星「白石 将晃」

彼のボクサー人生は決して真っ直ぐ、進んできたわけではない。

経験なし。ボクシングジムなし。あるのは「夢」だけ。

 

彼がボクサーを目指すきっかけになったのは幼少時代。TVで畑山選手の世界戦を見たことがきっかけだ。

子供ながらにこう思ったそうだ。

「いつか俺もこのリングに上がるんだろうな」

そこから彼は「世界チャンピオン」を目指すようになった。 しかし彼の地元 長崎県・対馬ではボクシングに触れる環境が 全くなかった為 、しかたなく様々なスポーツを続けていた。

「関東の大学に行けば、ボクシングができるはず」 と思い故郷を離れ千葉の大学へ進学する。そしてたまたま行った新入生歓迎会である人に声をかけられた。「俺と一緒に空手やろうよ」 声をかけてきたの大学の先輩だった。その先輩は高校時代に空手で全国優勝の経験がある実力の持ち主だった。

 

「この人と一緒にトレーニングすればちょっとは強くなれるかもしれない」 と思い、この誘いに乗り空手を始める。

そして大学で知り合った友人に「俺は本当はボクシングがやりたいんだ」と話をすると、その友人がボクシングジムを見つけてくれた。

こうして空手とボクシングを両立する格闘家としての生活が始まった。

プロテスト不合格。それでも……。

だが彼は順調にボクサーとしての道を歩んできた訳ではない。 プロテストに2回も落ちている。どちらも相手からダウンを奪っていたのにもかかわらず。「それはボクシングではない。喧嘩だ」 そう言われ2度も落とされている。

しかし彼はこのプロテストを終えて「上まで行ける」と確信した。普通であればここで「やめよう」と挫折するかもしれない。

だが、彼は違った。

(以下本人の言葉)

ーボクシングをやめようと思ったことは1回もない。先に《目指すべきゴール》を決めたから。

中学校時代全くボクシングをやっていなかったのに将来の夢に「東洋太平洋チャンピオンになる」というタイトルで作文を書いていたよ(笑)。

高校の時には「世界チャンピオンになりたい」、大学の時は「世界チャンピオンになる」と夢を常に明確にもっていた。

その夢がぶれないから、諦めないし遠回りしても焦らずできた。

ボクシングをやりたいというだけなら、大学の時に大きなジムに通ってればできたが、しなかった。他にもやりたいことがあったしね。

でもそれは今思うとボクシングに対して《覚悟》が足りなかったんだと思う。ー

 

今できることをする! 世界一周!

彼にとってボクシングに対しての《覚悟》を決める上で、もっとも重要な出来事になったのが「世界一周」という旅に出たことだった。 その旅で彼は様々な体験をして、様々な人々に出会いかけがえのない仲間と出会った。

ーどんな辛くても仲間がいればそれが1番の活力になる。ー 

 

と彼は言う。「世界一周」から帰ってきた彼は、ボクシングの名門「帝拳ジム」へと入門するのであった。

 

 

そこで世界チャンピオンを育てた名トレーナーの指導を今もなお受け、練習に励んでいる。今後はどうなりたいかを聞くと彼はこう答えた。

ー出身や環境、体格、そーゆうのは関係なく。自分が成功することによって1人でも「俺にもできるかな」と思うきっかけになりたい。 そんな「きっかけ」を作れる人になりたいな。ー

 

デビュー戦以来、試合を重ねるごとに彼の周りにはファンが増えている。戦績だけ見れば立派なボクサーだ。 ふと私は彼の魅力について考えた。

彼の魅力は「透き通る海」のようなものだと思う。《純粋な子供のような心と全てを巻き込む海のような力強さ。》 その海の魅力に誰もが魅入られてしまうのだろう。

 

最後に彼に《好きな言葉》を聞いてみた。

「死に物狂いは一生懸命に勝る」

ー誰もが何かをやる時は一生懸命やると思う。でも死に物狂いの人には勝てない。ー

 

「夢は逃げない。逃げるのは自分だ」

ーこれからの子供たちが夢から逃げる人になって欲しくない。夢は叶うことを俺が証明したい。 何事も諦めないでやり続けて欲しい。失敗というものはない。全て経験になるから。全ての物事には意味がある。ー

 

楽しそうに夢を語る彼はまさに「世界チャンピオン」を目指すと決めた少年の頃と変わらない目をしていた。

 

 

(2015.6.12都内某所にて)

 

取材・ライター:鈴木 隆太

アーティスト

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