『恩へのこだわり』

舞台演出家

瀬戸 涼平

 

せと  りょうへい

0LIMIT HP

『絶対に売れてやる』

共通の意思を持ち集まった劇団「0 LIMIT」

既存のカタチに囚われない集団として、舞台はもちろん、映像やコントまで。さまざまなことに貪欲に挑戦し続ける集団「0 LIMIT」

今回はその「0 LIMIT」の代表であり、演出をしている「瀬戸 涼平」さんにインタビューをした。これまでに「0 LIMIT」は計4回の公演を行った彼らの公演は全て大成功と言っていい程の結果を残している。その裏には確かな信念があった。

「自分達がやりたい事をやれる団体 0 LIMIT」

元々役者で売れたいと思っていた瀬戸さん。彼の中では最初から「大きな団体で売れて、のし上がる。」という気持ちがなかった。どちらかと言えば「自分で立ち上げてでかくしたい!」という気持ちの方が昔から強かったそうです。

そうは思ってはいたが、なかなか踏み切れずにいた。そんな時にこれじゃだめだ!と思い事務所に入った。そこでお世話になったのが俳優の川本淳市さんだ。川本さんが立ち上げた劇団ユニット「47 ENGIN」の舞台に客演として参加した。その時に川本さんから「47 ENGINE」の存在意義を聞いた時にすごい自分の思想とリンクしたそう。

瀬戸 「劇団」というカタチではなく色んなことに着手する。それこそ舞台だったり映像だったり、コントだったりとか。「自分たちでやりたいと思う事をやれるような団体」

劇団というくくりにすると定例公演とかをしなきゃいけないとなると逆にそれがネックになったりしちゃうんで。「来るものは拒まず、去る者は追わず」っていう「47 ENGINE」さんのようなスタンスでやってます。後は川本さんと対等に話せる人間になりたいと思ったのが「0 LIMIT」を立ち上げたきっかけですかね。

 

 そうして自ら立ち上げた団体「0 LIMIT」

その名前の由来を教えてくれた。

瀬戸 これも「47 ENGINE」が絡んでくるんですけどね。俺はロゴを作る時に「47 ENGINE」さんの真似じゃないけど、敬意を示して数字とローマ字表記でやろうと決めました。正直今はロゴ変えたいですけど。(笑)

「0 LIMIT」の「0」は『無い』という意味で「LIMIT」というのは『限界』とか『制限』とかの意味で、「人間に限界なんてないんだよ」「頑張れば頑張った分だけ伸びていく」という意味と「47 ENGINE」さんの「ENGINE」(円陣)と「0」をかけてるんです。「輪(0)を広げていく」ということで「0 LIMIT」にしました。

『0→1と1→1000』

 彼には専門学校時代から仲が良く、現在も共に活動しているパートナーがいる。

それが脚本家の「馬場良仁」だ。

専門時代に「世直し番長連合」という団体を立ち上げた事もあり、まさにずっとタッグを組んでいるパートナーだ。

瀬戸 今でこそ演出家は俺で脚本家は馬場ちゃんってスタイルですけど、専門の時は脚本も演出も二人でやっていたんですよ。そこでの演出経験は多少ありましたけど、他では全くなかったです。(笑)

だから演出に関して今までのノウハウってのは一切なく、「0 LIMIT」立ち上げてから本当に手探りで見えないところから吸収してきました。舞台見に行ったり、外部の公演に演助で入らせてもらってそこの演出家さんの考えを吸収して自分の演出方法を変える。本当に手探りでしかやってないです。誰かに教わった事は一切ないです。

でも、自分でも思うし他人からも言われるんですけど、「役者より演出の方が向いている」と言われます。薄々は感じてたんですけどね。正直今も役者として売れたいという気持ちはあるんですよ。ただ、「自分の才能」と「やりたいという気持ち」を天秤にかけた時に、まず自分に才能がある方で売れればいいと思ったんですよ。演出で売れちゃえば後でいくらでも役者できるじゃんって。今は役者に固執する必要なくて、とりあえず売れてからでいいのかなって思ってます。

 彼は演出家としての経験はまだまだ浅い。しかしなぜか彼の言う言葉には説得力があった。そんな彼が思う「演出家」という仕事について聞いてみた。

 

瀬戸 まあ。こんな僕が演出家語るのは早いと思いますが。(笑)

演出家の仕事はバランスを見ること。ちゃんと緩いとこと速い所を見極めるんですよ。役者の多くは自分を俯瞰では見れないので。それのバランスを見るとゆーか。簡単に言えばオーケストラと一緒です。指揮者がいないと演奏がまとまらなじゃないですか。あと僕はよく演出を「塗り絵」に例えるんですけど。脚本家が出した台本が塗り絵の枠だとすると、それに色を塗るのが演出家。だからそれにどーゆう色をつけるかは自分次第。それによって作品は幾通りにも変わっていくと考えてます。僕は書き手が全て正しいとは思っていません。書き手はそう思って無いと思いますが。(笑)「0 LIMIT」を始める時に僕は馬場ちゃんにこう言いました。「俺は0から1を作り出せない。でもお前は0から1を作り出せる。何もないところから生み出す才能がある。俺にはそれはない。俺はお前が産み出した1を100にも1000にもする」だから馬場ちゃんが演出に対して「これは、こうなんだ!」と言ってもそれは既に1を超えていて。俺が100とか1000を見て色を塗っているから、横槍いれないでって感覚です。笑

とは言ってもお互い折れるとこは折れてうまく回ってます。

『役者という道』

 「役者の道で生きる」人生においてこの選択肢を選ぶ人はたくさんいるだろう。たくさんの人がこの道を選び、たくさんの人が挫折をする。そんな「役者」という道において辛い事を聞いてみた。

瀬戸 あげればキリが無いけど、1番はやっぱり親に恩返しができないことかな。もう24だし、普通だったら就職をして何年か経って給料もちょっと上がって、少しは親にうまい飯食わしてあげたりとか。そーゆう普通にのことを自分が大学行って就職してたらできてたんだなって思うと、それが悔しいな。だから早く売れたいなって思う。だって、これから売れるかもわからなくてただのギャンブルでしかないから。もし売れなかったら本当に親不孝だし。それが一番きついと思います。だから何が何でも売れなきゃって思います。あと以前、公園でホームレスやってた時には強く「売れたい」と感じました。(笑)

 今でこそ少しハリウッド映画など海外の作品で、たまに見かけるようになった「日本人俳優」しかし、まだまだその需要は少ない。彼は自分の「芸能人生」と今後の「日本人俳優」についてこう考えていた。

瀬戸 僕は日本で売れるのはあまり興味が無いんですよね。通過点に過ぎないというか。だから今全力疾走してるんです。だって日本で売れてから海外に出たところで絶対僕の事なんて誰も知らないじゃないですか。(笑)

今ハリウッドデビューしてる日本人の事を知ってる海外の人だって少ないんじゃないんですかね? それこそ「ジョニーデップ」とか「ディカプリオ」なんて世界中誰でもわかるレベルの俳優は日本からは生まれないと思うんです。

そうゆうトップスターのような芝居をするのは難しいと思いますね。もちろんそれを覆そうとやっている人もいるけど。「日本の演劇界・映画界を変える!」と奮起してる人は今までもずっといたと思うし。でも日本人は「奥ゆかしさ」が売りになっているから、それを度外視してやっても海外での「奥ゆかしい」イメージは払拭されないと思うんです。払拭しようと思ったら1人の人生では足りないです。

僕は最終的に海外では映画監督として売れたい。

僕らが作れる独特の世界観を日本人の「アーティスト」みたいな感じでやれたらなって思います。向こうで売れたらビーチでずっと遊んでたいです。(笑)

『こだわりへのこだわり』

 彼の周りにはたくさんの協力者がいる。なぜか協力をしたくなる。そんな彼の魅力と言っていいポイントは「仕事に対する考え方」にある。

瀬戸 仕事に対してはどんな事も対等がいいと思ってます。上下があったらいいものなんてできないと思っているので。協力してくれる人はみんなそこに共感してもらえてるんだと思ってます。こーゆう劇団とかではあまりお金を払わない事とかもあるんですよ。でもうちはしっかり払います。頑張った人には頑張った分だけちゃんと払う。だから今は売り上げとかをあまり気にしてないんです。その代わりチケットとかパンフレットとかポスターとか、お客さんが待っている時のBGMとか照明とかそーゆう細部までこだわりたいんです。例えばフライヤー(宣伝用チラシ)ってお客さんが最初に見る「作品」だと思うんです。だからお金がかかろうが、中途半端なものは作りたくないし、少しのミスも許したくないんです。お客さんがお金を払ってくれた対価として、会場に1歩入った瞬間から退屈させたくないと思ってます。予算が上がってもお客さんへの「感謝」としてそこまでやっているんです。

待ってる時間も家に帰って誰かに舞台の事を話すのも含めて全部が僕らが作った「作品」ですからね。いつもメンバーにも言うんですけど「ものつくりに関してはこだわりをもってやれ」小さなこだわりでも良い。だってそれがないと自信持って言えないじゃないですか。「こだわりのないもの」に人は興味を持たないなって思います。

 最後に彼に《好きな言葉》を聞いてみた。

 

「感謝」

愛情ある作品作りをしないとお客さんに届かないと思うし、楽しいところから楽しい作品が生まれると思うんです。

だからキャストさん・テクニカルさんとか関わる全ての人にに「感謝」をしてる。だって俺はみんながいないとなにもできないですし。だから厳しいことは言うけど、そこでやってくれた時に感謝は生まれるんです。

やってくれて当たり前。じゃなくて、そこに至るまでにたくさんの人の時間や努力があるのに気付けないのは可哀想。そうゆう人とは仕事をしたくないですね。この業界は中途半端に「俺、役者やってます」とか言う人もやっぱり多いけれど。応援してくれてる人がいるのに「それでいいの?」と思う。応援してる人への恩返しをもっと考えた方がいいんじゃないかなって。自分は受けた恩はしっかり返して上に上がっていきたい。だって感謝したいし、感謝されたいですもんね。

 世の中の事。周りの事。自分の事さえも客観視をする舞台演出家「瀬戸 涼平」彼が作る「作品」には無数に散りばめられた彼からの「感謝」がある。それこそが彼の最大の《こだわり》だと感じた。彼にはその意志を何倍にも増幅させてくれる仲間がいる。彼らが作り上げる「エンターテイメント」の暖かさに多くの人が惹かれている理由はそこなのかもしれない。

(2015.9.9 都内某所にて)

取材:鈴木隆太・松元加奈

ライター:鈴木隆太

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「0LIMIT」HP→  http://0limit.jimdo.com

 

「0LIMIT」YouTubeチャンネル→https://www.youtube.com/watch?v=TrXqGYXIhkQ

 

瀬戸 涼平Twitter→瀬戸 涼平

 

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